スピリチュアル・ファンタジー・シリーズ
スピリチュアル・ファンタジーとはなんでしょう。
天使も妖精もドワーフも出てきません
このファンタジー・シリーズには、天使は出てきません。
可愛い妖精も、いたずらな小人も、エルフもドラゴンも、ドワーフも出てきません、たぶん‥‥‥。
剣は出てきますが、血みどろの死闘は書きません。
魔法の呪文で、なんでも思い通り!‥‥‥にもなりません。
ガッカリさせてしまいましたか?(笑)
このファンタジー世界の最強の魔法、それは「夢」そして「愛」です。
ここでいう「愛」は、現世的な執着から生まれる欲望のことではなく、もっと宇宙的な、根源的な、もっと純度の高い「愛」のこと。
見えないけれど確かにあるもの=スピリチュアル
夢も愛も、魂と同様に、この三次元宇宙に生きる私たちには、眼で見ることも、耳で聞くことも、手で触れることもできませんが、でもそれが存在することを、私たちは知っています。
魂がそうであるように、もし心のうちに夢や希望、そして愛がなかったら、私たちはこの世界で生きていくことができません。
愛も夢も、それ自体は目に見える物理的な形を持ちませんが、肉体を持つ存在としてこの地球の上に生きる私たちの、言葉や行動、生き方を通して、その確かな存在を私たちに知らせています。
このシリーズは、ファンタジーというスピリチュアルな世界を舞台に、愛と夢と魂の物語を描き記したものです。
この物語が、あなたの魂の遠い記憶を呼び醒ますなら、それに勝る歓びはありません。
(シオン)
森の小国バンベルグ領主の跡取り娘ジークリンデは、乳兄弟のレオンハルト一人を供に遠乗りに出掛ける。
妖しい大白鹿に誘われて魔物が棲むというアルテの古森に迷い込み、白い円塔がそびえ立つ不思議な古城にたどり着く。
新進俳優、深沢慎一には、決して人には言えない秘密の能力があった。その力が強まるにつれて俳優としての名声が高まるが、慎一は、特異な能力を持つ自分がこの世に存在することの意味について、深く思い悩むようになっていった。
〈中の原〉の宮の丘。その山奥には民人が踏み入ってはならないとされる禁断の地がある。書司の家の末娘カナは、山草を探してその地へと入り込み〈かれら〉と呼ばれる放浪の民の姿を垣間見る。色とりどりの服をまとい歌い踊る〈かれら〉にカナはすっかり心を奪われてしまう。