ストーリー世界を成仏させる!
あるコンサートでのことです。
ゲスト出演したユーミンが、デビュー当時を思い出してこんな話をしてくれました。
自分がデビューした頃、周りには
吉田美奈子というずば抜けたヴォーカリストと
矢野顕子という優れたピアニストがいた。
較べたら敵わない。
だから自分ができることをやるしかないんだって
ずっと自分に言い聞かせていた・・・
アートに限らないことなんだけど、何をするにせよ、自分よりも優れた人、圧倒的に才能があると思える人というのは必ずいるもので、そういう人達と自分とを較べると、くじけそうになる。でも、そんなときにはとにかく自分を見つめる。
自分のやりたいことを、ただただやり続ける。
「自分らしさ」なんて自分ではわからないけど、やり続けられるものが「自分らしいもの」になるんだと、そう思う。
だから、書き続けて来た、のかな。
自分の存在価値とか、そんな大層なことじゃなく。
そのストーリーは「自分の頭の中にしか存在しないモノ」だということだけは、疑いようもなく、ハッキリと、知っているから。
わたしがそれを書かない限り、書いて世に出さない限り(たとえそれで誰に何を言われたとしてもね)、そのストーリーはこの世界に存在できないんだっていうことを分かっているから。
ちょっとヘンな表現に聞こえるかもしれないけど、縁あってわたしの頭の中に生まれ出たモノに、なにかしらの形を与えて世に送り出すことを、私は「成仏させる」と呼んでいる。
形を与えない限り、それは生まれなかったのと同じ。
形にして世に送り出して、この世界に存在させる。それが生れ出た命を全うさせるということ。
そんな気持ちで作品を送り出している。
いま、長い間大切に温め続け育んできた、特別な長編ファンタジー作品を「成仏させる」べく準備中。
もうちょっとです。
今、まさに、生みの苦しみの真っ最中!
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